下垂れ桜(樹齢400年)
樹齢400年の下垂れ桜。こちらのお寺の御霊木です。明治の頃には雷が下ち枯れかけたこともあったとか。
老木の為、下垂れた新しい枝は落葉期に枯れてしまいます。全体的に勢いがなく、枯枝が目立ちます。花の色も昔に比べ薄くなってきているそうです。
まずは根のまわりに生い茂ってしまったササやリュウノヒゲを撤去します。
寒肥えもかねた土壌改良工事のまじまりです。
現場は八王子 高尾。山、川が近いため、少し掘れば石ころがたくさんでてきます。 自然界ならば落ち葉が腐葉土となり、肥沢な土壌となるわけですが、暮らしの場ではなかなかそうはいきません。 砂利や砂を多く含んでいるため固く締まりやすく、その上をササに覆われていたため、土は息ができません。ミミズや蝉の幼虫は全く見当たらず、「声のないさみしい土」といったところです。
根を傷めないよう深さ70cm~100cmぐらい掘り起こし、パーライト、油かす、鶏フン、豚プン、腐葉土など交ぜ合わせます。 固く締まった土は深呼吸をして背中を伸ばしている様。400年振りの大あくびが聞こえます。
バーク推肥(3tダンプ1台分)を鋤きこみながら整地します。先の計画ですが四季折々の山野草を植えたいと思っています。
四方に伸びた枝のような太くて力強い根がこの桜を支え、その先に伸びた糸のような細い根が桜に水や養分を送り、
そしてその糸の様な細い根を包む、太古の頃から繋がった土壌や水脈。
缶コーヒーを飲みながらこの桜を眺めているとそんなことを思います。
まわりに立ち入り禁止の柵を作りました。
当の本人(桜)はそんなもの必要ないと言ってそうですが、花の頃はたくさんの人が集まりますので念の為。
この地域では一番早く花が咲くため、昔の方はこの桜を合図に農作業を始めたそうです。
春耕の鐘を鳴らす桜です。
使った肥料は有機質肥料が中心。効果が表れるのに時間がかかります。
すぐに結果を求めてしまう私達現代人。それは悪い事ではなく少しでも良いものをと積み上げてきた人間の本能ではないでしょうか。
しかしあまりに早足だったので落とし物がたくさんあります。
江戸の頃から私達を見守ってきたこの下垂れ桜。
「孫の代には肥やしが効いてくるかな。桜も喜んでいますよ。」とこちらの御住職。
人間味あふれるやさしい御言葉です。
仕事を通じて落とし物を1つ見つけさせて頂きました。
使用した肥料
・パーライト(ネニサンソ)100kg×15袋
・バーク推肥 60kg×15袋
・牛フン 20kg×15袋
・鶏フン 20kg×15袋
・豚プン 15kg×15袋
・油カス 10kg×20袋
・腐葉土 60kg×15袋
・化学合成肥料 10kg×1袋
・石灰(貝化石) 20kg×5袋
・ヨウリン 20kg×5袋
・推肥 6m³
春耕の鐘は今年も響き渡ります。



